ペパーミント
シソ科
〜夏におすすめスッキリハーブ〜
ガムやキャンディーなどのお菓子や歯磨き粉、医薬品など、ペパーミントの清涼感ある香りは、私たちの生活の様々な場面 で利用されており、最もなじみの深いハーブのひとつといえます。
ヨーロッパ、アメリカ、アフリカ、アジアなど北半球の温帯地域に広く分布するミント(ハッカ属)は大きく分けて25種類あり、細かく分類すると600種類以上になります。代表的なものとして、やや甘味のある香りがするスペアミント(Mentha spicata)や、スッキリとした清涼感の強いペパーミント(Mentha piperita)、葉にうぶ毛が生えていてリンゴに似た香りのするアップルミント(Mentha suaveolens)、アップルミントの仲間で、葉に黄色い斑点のあるパイナップルミント(Mentha suaveolens ’Variegata’)など。日本の湿った場所に自生している薄荷(ハッカ)(Mentha arvensis var. piperascens cv.)も同じ仲間です。
ほとんどのミントは、生命力がとても強く、どんな土壌でもよく育ちます。ほふくする茎を伸ばして増えて交雑しやすいため、近くに別 種のミントや他の植物を植える時には注意が必要です。
ミントの語源はギリシア神話に由来しています。
冥界の王ハーデスは、地上で出会ったメンテ(Minte)というニンフ(妖精)を愛してしまいます。これに嫉妬した王妃ペルセポネは、メンテを地面 に踏みつけて殺してしまいます。ハーデスは、これをいたく哀れみ、メンテを魅力的な香りのするハーブに姿を変えて復活させたといわれています。
ミントは古代ギリシア、ローマ時代には勇気の象徴とされ、男性達は香りを体につけて自分の存在を誇示するのに利用したほか、解毒や強壮剤として利用するなど、古くから生活に取り入れられてきました。ほとんどのミントには消化を促進したり、腸内のガスを取り除く作用があり、生葉は、サラダやドレッシング、お菓子の香り付けなどの料理やハーブティーに用いると、美味しくかつ効果 的です。
また、乾燥させた葉もお茶として用いるほか、ポプリやサシェ(香り袋)などのクラフトに用いたり、入浴剤として用いることもできます。
全草から抽出される精油は、アロマセラピーや薬品、香料、飲料などに利用されています。近年の研究で、ペパーミントの精油には強力な殺菌作用があり、特に病原性大腸菌O157に有効であることが明らかになりました。実験によれば、250mlの薬用アルコールに0.1ml(2滴)の精油を溶かしたペパーミント液を空気中に散布したところ、O157は完全に死滅したということです。
ペパーミント油は、その清涼感のある香りが集中力を高めたり、呼吸器系の不調などにも有効で、食中毒の予防だけでなく、日常的な空気清浄や風邪の予防のなどに利用するのもおすすめです。
また、香りの成分ℓ-メンソールには冷却作用があり、夏のボディーローションやアロマバスに利用するもおすすめで、スッキリとした使用感を味わうことができます。
前のページへ