ジャスミン
モクセイ科
沖縄の人々にとても親しまれているお茶に「さんぴん茶」があります。「さんぴん茶」とは「ジャスミン茶」のことで、緑茶やウーロン茶にジャスミンの花で香り付けしたお茶のことをいいます。さんぴん茶は、琉球王朝統一前後に中国から伝わったものと考えられており、中国では、「香片茶(シャン・ペン・ツァー)」と呼ばれています。沖縄では、これが訛って「さんぴん茶」と呼ばれるようになったと考えられています。さっぱりとした香りが、何回お湯を注ぎ足しても残り、また、冷めてもおいしいことから、沖縄ではもっともよく飲まれているお茶といえます。
ジャスミンには多くの種類がありますが、芳香茶として広く利用されているのは、中国で茉莉花(マツリカ)と呼ばれる種(jasminum sambac)です。中国では、この花を化粧品の材料や髪飾りに利用したり、花を混ぜた香油で体をマッサージしていました。また、インドでは、この花を「木立の月光」と呼び、変わらぬ愛の証として贈り物に用いられたといわれています。
ジャスミンはつる性常緑の低木で、中国やインド、アフガニスタン、イランあたりが原産地です。夏から秋にかけて白または黄色の香り豊な花を咲かせます。開花は、まだ夜が明けない午前2時頃から始まり、開花時の花の香りが一番良いことから、香りの質が高いお茶や香料の原料を採取するためには、夜明け前から摘む作業を行うのです。
こうして摘み取ったジャスミンの花は、揮発性の溶剤に芳香成分をしみこませる方法で、甘く濃厚な精油(エッセンシャルオイル)を抽出することができます。1tの花からわずか1kgの精油(芳香成分)しか抽出できないことから、バラと並んで高価な精油で、「香りの王様」ともいわれています。
この精油には、不安や抑うつを取り除き、神経を鎮静させるとともに、気持ちを楽天的にして高揚感を生み出す働きをします。また、女性のホルモンバランスを整える働きもあり、生理痛や更年期障害、産後の体調を取り戻すのには、この精油を用いたマッサージが有効です。この他、呼吸器系の不調にも効果があるといわれています。
市販のジャスミン茶を利用するのも手軽な方法ですが、ジャスミンの花のハーブティーを紅茶や好みの中国茶などにブレンドして、オリジナルのジャスミン茶を作ってみるのも楽しいものです。また、ジャスミンの花をウォッカやホワイトリキュールなどに漬け込んだハーブリキュールにしても、すばらしい香りが楽しめます。
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