コリアンダー
セリ科
タイやベトナムなど東南アジア諸国や中国の食卓には欠かせない、独特の香りを放つハーブ、コリアンダーの香りは日本人の間では好き嫌いがはっきりと分かれ、どうしてもこの香りだけは受け付けないという人も多いかもしれません。
コリアンダーの原産地は地中海沿岸地方で、古代エジプトの医学書「エーベル・パピルス」(B.C.1500年頃)にもその名が記されていることから、古くから薬用利用されていたことがわかります。その後、ローマからインド、中国などへと渡り、日本には平安時代頃に伝わったといわれています。
「コリアンダー」という名は、この独特な香りと関係があります。古代ギリシア時代、コリアンダーは「korian-non」と呼ばれていました。korisとは「虫」、annonとは「アニスの実」という意味があり、葉や未熟な果実に虫のような強い香りがあることに由来しています。日本でカメムシソウと呼ばれるのもそのせいでしょう。
しかし、中国では香菜(シャンツァイ)と呼ばれていることや、タイでは様々な料理に大量のコリアンダー(タイ語でパクチー)が利用されるところを見ると、日本では嫌われがちなこの香りも中国や東南アジアでは良い香りのハーブなのでしょう。
コリアンダーは葉だけでなく、完熟して種子を乾燥させてスパイスとしても利用します。乾燥させると、強烈な香りはマイルドになり、スパイシーな中にも甘みのあるような香りは、カレーや煮込み料理、お菓子の風味付けなどにも利用されます。
薬用に利用されるのも種子で、解毒効果が高く、砕いて熱湯を注いだ浸出液を飲用すると、鼓腸や腹痛を改善するといわれています。また、食後に種子を数粒噛むと消化促進に役立ち、口臭も予防する効果もあるといわれています。また、外用にも用いられ、粉末にした種子を少量の水で溶いてペースト状にしたものを関節痛などに用いられます。
さらに、種子からは精油も抽出され、アロマセラピーにも利用されます。甘くスパイシーで官能的な香りは、精神的な疲労から無気力に陥っている時に気分を高揚させ、やる気を取り戻すのに役立つといわれています。また、マッサージに用いれば、血行を良くして身体の毒素を排出させたり、筋肉疲労や関節痛などにも有効であるといわれています。ただし、多量に使用すると神経を麻痺させることがあるため、使用量には注意が必要です。
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